(´・ω・)えー遅くなりましたが…蟹工船の感想です。
今回は新潮文庫で出た蟹工船と党生活者が一緒になった奴です。
が、まあ今回は蟹工船に関してのみの感想ということで御容赦ください。
まいどのことながら、読んでない人は飛ばしてね。
(´・ω・)うーん…なんというか凄まじい、汚れというか汚さというか…壮絶な蟹工船の現場が目に浮かぶように展開されます。
或いは現実よりもその汚れや汚さを表現しているのではないのかというほどの悪環境の描写。
そしてやがて団結し始める船員達…。
え~とまあそれは一応一度置いといて
内容とは別の話なんですが…文章が時々読みにくい…。
古い文章形式なので一部を抜き出すと
「えヽ、えヽ、やれV。」(Vはブログ上では表現できませんが「く」の字を縦に長くしたような奴です)
相手はへヽヽヽヽと笑った。
( ゚Д゚)………
一応この文章現代版に直すと
「ええ、ええ、やれやれ」
相手はへへへへへと笑った。
になるわけなんですが、昔の文体なんで特に読み始めはすごく読みにくい…。
まあ、それでも読んでいく内に気にはならなくなっていくんですけど、ネット上の青空文庫ではそこのところは修正されているのになんでこの新潮文庫版は原文の読みにくいままにしたのか…。
う~ん僕は出来れば現代の文章形式で書いて欲しかったんですが、前にも言いましたが海外の文章は翻訳者を介するのでいつまで経っても文章は新しい現代文のままなんですけど、国内の文章って文体が古いままなんで段々と現代の言葉と乖離していっちゃうんですよね…。
この弊害って結構大きいと思うんですけど…作家の中にも時代によって文体の使い方が変わったのならそれに沿って文章を変えて欲しいと思っている人とかいないんですかね?
まあ文体が前時代の作家は今やほとんど鬼籍に入っているわけですが…。
まあ、その問題は今回はこのくらいで置いときましょう。
で…内容です。
蟹工船での過酷過ぎるほどの労働。
あんたら何で死なないの?
と思わず言いたくなるほどに劣悪な環境で働かせられるのだが、彼らは耐える。
耐える。耐える。耐える。
と…ずっと耐えているのを50ページぐらい読んで
( ゚Д゚)「いやあんたら耐えすぎだよ…さっさと監督闇討ちしちゃえよ…」
と思わず思ってしまいました…。
現代っ子の弊害なのか…あまりに船員が劣悪過ぎる環境の中で暴発もせずずっと耐えている話を見るとどうにもその様子が嘘くさく思えて来るのです。
自分の中ではもう初めの30ページかそこらで暴発してもおかしくないという感じだったのが、彼らはずうっと耐え続けてさらに暴発するでもなく、まあまあ平和的な方法でストライキを起こすのです。
( ゚Д゚)う~ん、ここまで虐げられた人達がスト…。カムチャッカの海、法の力も及ばない海の上で彼らが暴挙に出ないのは違和感があるなぁ…。
…んで、ストを起こした彼らなんですが、監督の罠によって彼らの代表者は軍に連行されてしまいます。
軍も資本家共の手先だと絶望した彼らであったがしかし、諦めることなく第二のストを決行する!
…な、わけなんですが、その様子は単に後日談と言った感じの 附記によって一、二ページで語られるだけです。
監督が首になった話も数行。
( ゚Д゚)ええーなんでこんな終わり方?
むしろその第二のストの方が重要じゃないの?
と…思ってしまいました。
心情としてはさっさと暴発して監督に復讐するべきじゃないの?といった感じなんですけどそれをこの本でやってしまうと赤化が単なる暴徒の話になってしまうんであくまで平和的にストと言う形で…と、やるのはまあ致し方ないんでしょうけど…。
でも未来にいる僕には共産主義の没落を知っているのでう~んと思ったり思わなかったり…。
まあでも…
( ゚Д゚)資本家共めくそったれ!っていう大きなテーマははっきりとしているんで、そう言った反逆精神とかが今の人達にも受けている理由なのかもしれません。
たしかに支配者階級くそったれ!みたいな感じになります。
この本を読んでいると。
まあ、でも結構やり方があからさまなんで思想誘導させようというのが透けてこないでもないような…。
………う~ん。
まあとにかく
この本の一番の見所は蟹工船の劣悪な環境の描写でしょう。
まるでその本自体すらも汚いものに変わってしまったかのように錯覚する程の描写。
劣悪さ。
一読の価値はあります。
ちなみに著作切れしているんで、ネット上でも読めます。
青空文庫 小林多喜二 蟹工船
カムチャッカ、厳寒の海。彼らは資本家達の手先「監督」の下で働くが………。
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小林多喜二についての追記です。
興味のある方はどうぞ
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/kobayasi.htm
しかしひでー時代ですねぇ。
今はこんな時代に比べるとよほどいい時代だと痛感しますね。
信念を持って活動した小林多喜二の生き様は幕末の志士にも似たものがあるような気もします。
それではまた。
っていうか漫画版みっけw
(´・ω・)ああ、ありますねぇ漫画版。
といいますか小説の中に漫画版の広告が入ってました。