ヨコハマ買い出し紀行小説版感想など

ちょい前に完結したヨコハマ買い出し紀行の小説版が出ていることに気づいたので買って読んでみました。
んが…。
ちょび、ネタバレが含まれる可能性もあるのでまだ読んでない人は以下を読まない方がいいかもしれません。
 
 
 
 
 

え~とそれで…なんというか…色々と気になった所を少し…。
まず、小説の六割くらいがコミックの焼き直しです。
コミックで見たシーンがそのまま描かれている部分が多いのでコミックを全部読んだ人にとっては既読感が強いかも知れません。
肝心のストーリーの方ですがコミックの方に比べて結構暗い部分を主にして書いているような感じです。
まあ具体的言えば人の死だとか、文明の衰退だとか…ロボットの寿命とか…。
コミック版の方でもそういった描写を臭わせるものはたくさんあったんですが、あえてその部分を見せないというところがヨコハマ買い出し紀行の良さなのであって肝なのであって。
例えるのなら
 
 
『一人暮らしをしている大学生の男がいた。
男が住んでいるのはごく普通のアパートだが、たまにおかしなことが起こった。
大学から帰ってくるとカーテンの形やゴミ箱の位置などが微妙に変わっている気がするのだ。
最近は誰かにつけられてる様な気もしてきた、流石に気味が悪くなってきた男は大学の友人に相談した。
男が「もしかして…ストーカーかな?警察に言うのが一番良いと思うけど…
警察は実際に被害が無いと動いてくれないって聞くしなぁ…どうしよ……。」
と困っていると、友人は「…じゃあ大学に行ってる間ビデオカメラで部屋を撮影しておいて、
もしストーカーが部屋に侵入してるのが撮れたらそのテープもって警察に行けば良いじゃん、
不法侵入してるわけだからさすがに警察も動いてくれるだろ。」
と具体的な解決策を提示してくれた、やはり持つべきは友!これは良い案だ!と思った男は
早速次の日の朝、部屋にビデオカメラを設置して録画状態のまま大学へ行った。
大学から帰ってきた男は焦った、久々に部屋に違和感がある、「これは期待出来る、
マジにストーカー写ってるかも…」と思いながらビデオの録画を止め、再生した。
しばらくは何も写らなかった。
しかし夕方になると、知らない女が包丁を持って部屋に入ってきたのだ。
「…!!!!!!」ビビった男はすぐに友人に電話をかけた、「ヤッベー!写ってる写ってる
ストーカー写ってる!!!!」と若干興奮気味に伝え、それからは録画を見ながら友人に内容を実況した。
「ゴミ箱漁ってるよぉ…」「今度は服の匂い嗅いでる…キメェ!!」今までコイツは何回も
来ていたのかと思うと、男は背筋が凍る思いだった。「これで警察も動いてくれるなぁ」
と少しホッとしてると、画面の中の女は押入れに入った。
「うっわ…押し入れの中入ったよ、しかもなかなか出てこない……」などと友人と
喋っていると、また誰かが部屋に入ってきた。
男は言葉を詰まらせた。
部屋に入って来たのは自分だった。
そしてビデオの中の自分はカメラに近付き録画を止める、そこでビデオは終わっていた。
押し入れにまだ女がいる。
 
 
…ってよくある怖い話の最後の一行ぐらいのいらなさのような気がしてしまうんです。蛇足過ぎる。いらなすぎる。
( ゚Д゚)なに?例えが長々過ぎる?まあいいじゃん。
あえてそこの部分を見せるか?と言った感じ。
見せないからこそ、その破滅や死の予感ってものをじんわりと感じることが出来たのに、それを「はいどうぞ」と目の前に見せつけられるってのはどうも違和感があるんですよね。ヨコハマ買い出し紀行に関して言えば特に…。
見せない美学ってのもあるような気がするんですよ………僕にとってはヨコハマ買い出し紀行は終末へと向かう世界の中でまるで時が止まっているかのような物語なのであって。(サザエさんとかと違って止まっているわけでは無い)
結局コミック版では最後の最後までそれを貫き通したというのに小説版だといきなりそれを根底から覆すとは。
( ゚Д゚)まさにデストロイヤー………。
( ゚Д゚)デストロイやー………。
大事なことなので二度(ry
 

それを踏まえてこの小説一体誰をターゲットにしたものなのかがいまいち見えてこない。
漫画版を見ている人にとっては焼き直しの部分がいらなく感じるだろうし、これを始めて見る人にとっては少々展開がぬるく感じられるように思われるし…。
 
暗い部分を見せるというのはまあわかるんですけどこういった見せ方をする必要があったのかどうか…まあでも外伝か、またはパラレルワールド的な視点で見るとまあ不承不承納得出来る出来ではあります。
でもコミックを読んだ自分としてはもう少しアルファさんの部分よりもその他の人物に関してもっと掘り下げてもらった方が楽しめたような気もします。いっそのことオメガ旅行記にしてもよかったのでは?

まあでも漫画版の作中では明かされなかった謎なんかもポコポコ解明されたりもしたりするのでやっぱりヨコハマのファンには買いだと思いますけど…。
 
( ゚Д゚)………いや…どうかな…評価が真っ二つに分かれそうだ…。読まなきゃよかったと思う人もいるかも知れない…。
(僕なんかは登場人物の宇布見が怒っているシーンでまずおや?っと思ったもんだのだが…。
怒りとか悲しみとかそういったクリティカルな表現が出てこないのがこういったほのぼの系の肝だと思っていたんですが…。
バットマンのダークサイドみたいな外伝的な感じなのかなぁと思ったり思わなかったり…。
(ヽ´ω`)まあいいや…。)

しかしこの流れが本筋だとしたらやっぱり納得がいかないかもなぁ。…つか原作者をほっといてここまで作品の中の登場人物をクリティカルに破壊していいものかどうか?

う~ん…。
まあでも気になった人は自分で買ってみてこの小説の自分なりの答えを見つけてみてくださいな。
そういえばココネとか出てこなかったな…。
あと気になるのは何で小説の中の挿絵がラフなんだろ?
原作者乗り切れてなかったのかな?
後少しだけですがコミック未収録分の漫画も後ろの方にちょこっとだけあったりもします。

 
 
それ+で…作者の次回作にあたる『カブのイサキ』も買って読んでみました。
いや~いいっすね。
つかまんまヨコハマ買い出し紀行の世界観のような気もしないでもないような…。
お勧めです。
(`・ω・´)この本を初め『イカサブキの』と読んでしまったことはオラとおめぇたちだけとの秘密だ!

(;´Д`)ハアハア…シロさん色っぽいよシロさん
( ゚Д゚)…しかし久しぶりにつけペン使ったけど…未だに入り抜きとかわかんないなぁ…。
あと書いてるうちに段々似てなくなったような気が…。
     
                        ↑ほら『イカサブキの』って読めない?
(´・ω・`)読めませんかそうですか………。


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