『代々木』へと到着するとすぐに大江戸線へと乗り換え一日目の目的地である『光が丘』へと向かう。『光が丘』では大学時代の先輩I氏との飲み会がセッティングされている。氏と飲むのは丁度一年ぶりになるが、学生時代は毎日のごとくに酒を飲みあった仲なのでとても久しぶりのように思えてしまう。 『光が丘』へと到着すると氏は既に駅で待っていてくれた。 「おう、久しぶり」 「どうも、お久しぶりです」 短い会話の一つ一つにも懐かしさがこみ上げてくる。やはり旧友と会うのはいいものだ。 その後『光が丘』にはI氏の馴染みの店があるとのことだったので、私達はそのお好み焼き屋に向かうことになった。 途上ふと空を見上げる。 明るい。 東京の街の明かりを空の雲が反射し、上空にうす緑色の薄い光が広がっている。 それは悲しげでもあり、懐かしくもあり、排他的でもあり、寛容でもあり…。 まさにそれは東京を示す照明。 らしくはあるが一方でそれは星の光を遠ざけている。 ……… 件のお好み焼き屋に到着すると私達は店の一番奥の席に腰を下ろした。 店はとてもアットホームな雰囲気だった。I氏はその店の相当の常連らしく店のおかみさんの娘さんとも知り合いだという。 「まあ、まずは乾杯」 「お疲れ様です」 体に染み渡るとはまさにこのことだこの瞬間のために生きていると言っても過言ではない。………いやまあ、多少過言ではある。 お勧めの沖縄産モズク酢を食べた後、旅の疲れは霧と消えた。 やはり疲れには酢が利く、後旨い物。 さてこのお好み焼き屋の後はI氏の家で二次会だ。こうなれば野と慣れ山となれ………とことん飲むべし飲むべし………。
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