花神、読書感想

 
とうの昔に読み終わってたんですが、感想を書くのが遅れてしまいました。すいません・・・。
   
花神は幕末の志士、大村益次郎の生涯を描いた長編。
えー………で、感想なんですが、下巻中巻は楽しく読めたんですが、後半になると村田蔵六(大村益次郎)とは別のエピソードが多くなってしまってどうも幕末の解説書のようになってしまっていたような気がします。なので、少し流れが悪く感じました。
無論それでもおもしろいんですが、大村益次郎の小説と言われると上巻、中巻は確かに村田の小説と言えるんですが、下巻の半分は先にも言ったように幕末全体の解説書のような感じが強いです。(たまに出てくるちょい役に関しても結構解説したりするんで…とにかく寄り道が多い)
後半、村田周辺の時代が急展開するんで、ほっといて書かないわけにはいけないってのはわかるんですが…最後の見せ場的な彰義隊との戦いも客観的な視点で描かれただけだったんで少々淡泊に感じてしまいました。(大村益二郎を中心とするのならばまあそれも正しいのかも…)

あと、悪い癖…と言っては何ですが、司馬遼太郎は小説の中で現代視点の解説をいれてしまうんですよね。
それがいいか悪いかどうかは賛否両論あるでしょうが…。
「どこどこの北西のこの地は現在では商業地帯となっている」
この程度の記述ならまだ気にならないんですけど、
「余談だが、私は誰々を伴ってこの地へと訪れたことがある。誰々さんは何々大学で教鞭をとる…」
ってな感じで数ページを割くのは…。
そりゃあ「街道をゆく」みたいな紀行文ならいいんですけど、小説の中でそう言った記述を出すのは僕的にはできれば止めて欲しいんですがねぇ…。
う~ん、まあこれは本当に賛否両論あるでしょうが…。
後書きの解説の中でも触れられてる同時期の作品「世に棲む日日」も同じような点があって、文庫本全四巻の内一巻目の約半分は完全な紀行文なんです。長州藩の物語を「さあ読もう」と意気込む人は少々面食らうかもしれません。(花神の初めもそんな感じなんですが…この頃の司馬遼太郎のマイブームだったのだろうか…?)

結局、感想の結論をいいますと、この「花神」確かにおもしろいんですが、司馬遼太郎全作品の中で考えると(まあ全作品っていっても僕も残り三作ほどはまだ読んでないですけど…)それほどランクが上の作品ではないように感じます。
う~ん………。
司馬遼太郎を読んだことがない、そして波瀾万丈のテンポが速い小説を求めている人にはこれはあまりお勧めしません。
ただ、大村益次郎というあまりスポットの当たらなかった人物の人生を全三巻(文庫)の長さでたどるという面白みはあります。
まあ、司馬遼太郎作品をあらから読み終わったが、まだこの「花神」を読んでいないという人がいるならば、ぜひ。
 
 
 
 
 



番外
僕が考えるお勧め作品

幕末の人物等、歴史に詳しいのならば
「十一番目の志士」

そこまで歴史に詳しくはないが激しいアクション、波瀾万丈な物語を読みたいならば
「燃えよ剣」

変わり種、痛快劇
「尻啖え孫市」

短編ならば
「酔って候」「新撰組血風録」「人斬り以蔵」
てなところですか…。

あと普通に
「国盗り物語」「龍馬がゆく」「関ヶ原」なんかも普通におもしろいです。

その他
司馬遼太郎でも駄目な作品は駄目だと感じたいひねくれ者には
「城をとる話」
良作だらけの司馬遼太郎作品の中でも珍しい駄目作品です。
(いやほんと、今まで読んだ司馬作品の中でこれが一番駄目だった…おそらく本人も後半はやっつけでやっていたような気がする…)

類い希なる軍才を発揮する蔵六だったが、やがてその鋭い性格は災いを招き入れることに・・・



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2 comments for “花神、読書感想

  1. やなぎ
    2009年6月19日 at 2:40 PM

    やっとこさ城をとる話を読み終わったよ(´・ω・)ノ
    一緒に貸してもらってたのがのぼうの城だったから、面白くおもえたんだけどw
    なんというか、プロットを決めずに思いつくまま書き進んでいったような印象をうけたね(゜゜

  2. 竹馬
    2009年6月20日 at 10:28 AM

    (´-ω-`)後半、城取の戦いが始まった辺りからどうにもいきあたりばったり感が拭えないよね。
    というより全体を通して映像化を前提とした妙なぎこちなさみたいなものを感じるような気がする。

    のぼうの城に関しては…
    例えるのなら、
    立ちはだかる最強の巨人、肩から伸びる異形の四本の腕、
    一つの腕には妖刀正宗、一つには蜻蛉切り、一つにはえーとまあとにかくなんか強い武器
    そして最後の手に握られた武器…それはうまい棒
    ( ;´Д`)「ちょっとまていー」
    みたいな変な感じを受けたんだよね。
    自分から敵をスペックダウンさせなくてもいいのに
    ええ、勿論「しかしながら大谷吉継はまだこの時若かった」の部分ですよ。
    敵が強い!こんな最強の敵に勝てると言うのか!ってのに興奮するのに、わざわざ自分から敵が未熟であると表現しちゃうわけだからね。
    のぼうの城は自らの戦略によって勝ったというより、相手のミスによって勝ちを手に入れたみたいな残念さがある。
    襲ってきた凶悪な暴漢がチワワを連れているみたいなずっこけ感がある。

    城をとるはなしに関しても似てるような点があって、結局とうざ( 漢字忘れた、藤佐?)も自らのミスで自滅しているんだもんね。
    だから爽快感が無い、
    あるのは、なんでこんなことしちゃってるのかなぁというもどかしさ。
    まあ、一般小説ならそういう展開も享受出来るんだけれども…。

    結局、のぼうは相手のミスによって勝ち
    とうざは自らのミスによって負けた
    どっちもすっきりしないよなー。

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